もっともっと売りたい電子書籍がなんで売れてないのか(1)〜売れ方にもいろいろある〜ジャンプ漫画が売れるのと、なろう小説は売れ方が違ってる〜
電子書籍の売り上げを伸ばしたいならオンリーワンになるしかない
今回は、こういうテーマを記事にしてみたいと思います。
ところで皆さん電子書籍って買ってますか?
Kindle、ブックウォーカー、eブックス、Yahooブックス…etc
いろんな種類があります。この中で、どれかひとつでも使ってるひとはいるでしょうか。
ちなみにぼくは、Kindleとブックウォーカーを使っています。合わせて千冊は超えてる。使ってみると電子書籍はとても便利。すぐ買えるしすぐ読める。場所もとらない。でも、どうやら売り上げはそこそこらしいんですよね。
これがなぜかずーっと疑問だったのですが、やっとひとつの仮説が頭の中に思い浮かびました。
これって
【場が統一されてない】
せいなんだと思うようになってきた。
どういうことなのかをこれからご説明させてもらいたいと思います。
そのために次の幾つかの話題をお話しなければならない。さっくりテーマだけ羅列すると、
【本の売り上げは読者数✖︎完成度である】
【ジャンプの漫画の売れる理屈と、なろうの小説が売れてる理屈】
【電子書籍が売れないのは、コンテンツが統一されてないせいだ】
【絶版マンガ図書館をブックウォーカーに統一するべき唯一の理由】
この内容を読んでくれたら納得してくれるのではないかと期待してます。
それでは、順番にお話してみよう。
【本の売り上げは読者数✖︎完成度である】
そして
【ジャンプの漫画の売れる理屈と、なろうの小説が売れてる理屈】
これらは、同じ線上にあるので、まとめてお話します。
皆さんジャンプは知ってますよね?
ONE PIECEとかドラゴンボールを生み出した漫画界の巨大コンテンツです。最近はNARUTOが完結しました。
ジャンプ作品は総じて売れる傾向があります。ここをみてみるとわかるのですが、雑誌単体としてジャンプは他の追随を許さないことになってます。※1
あと、2013年オリコン漫画ランキングをみるとやはりジャンプの作品が上に多い。※2
ひとつの巨大コンテンツに掲載されていると、作品は売れやすくなります。これって当たり前のことだと思うのですよ。
めちゃくちゃ面白い作品だけど世の中に知られてないというときは、作品の問題ではなくて雑誌の問題であることも多いと思います。
ここでぼくは売上の大きい雑誌で連載しろと言ってるわけではありません。ただ、全体の傾向として見るなら、巨大コンテンツにある作品は総じて利益を生み出しやすいということを言っている。
そこで、次にこのブログで良くはなしをしている「小説家になろう」を話題にしてみよう。
小説家になろうって知ってますか?知らない?
知らないなら簡単にお話すると、小説の投稿掲示板サイトです。オリジナル作品ならなんでも投稿していい。※3
ここで面白いのは、このサイトのアクセス数は一日云千万らしいということ。※4
さらに、小説家になろう出身の作品はラノベの中でも売れる傾向がある。スレの引用で、信頼性が低いが申し訳ないが参考にして欲しい。
実際、平均的な売上からするとなろう出身の作品の売上は大きい。それは、そこらの書店の本棚みるとなろう出身のライトノベルが幅を利かせてることからも見て取れるだろう。
そこで、次のことを考えてみよう。
一週間に週刊少年ジャンプを見ているひとと、小説家になろうを見ているひとは単純にみて十倍くらいだということは想定できる。※5
では、ジャンプを読んでいる人がジャンプコミックを買う確率と、なろうを読んでいる人がなろう出身の小説を買う確率はどれくらいの差があるのだろうか。
ひとりの読者数に対してジャンプ作品となろうの作品ではどちらが売れているか考えてみよう。つまり、読者数にたいする売上効率を考えてみよう。
…まあ、ジャンプのほうが売上効率いいよね。
これは適当な例ですけど、百人のひとがジャンプを読んで一人がジャンプコミックを買うとするなら、なろうでは千人がなろうを読ん一人がなろう出身小説を買うイメージ。
この差がなにに由来しているかというと、それが「完成度」だと思う。
完成度というのは、作品の圧縮度や読みやすさ、完結させる保証…それらの総合としての指標です。
追記にも書いてあるけれど、ジャンプにジャンプメソッドがあるなら、なろうにもなろうのお約束というのがある。
ただ、そのクオリティに違いがあるので、ジャンプという場から産み出される作品と、なろうという場から産み出される作品のクオリティには違いが生まれてしまう。※6
ジャンプクオリティの平均が80点なら、なろうクオリティの平均が65点という塩梅だ。
作品の売上には
読者数で母数を増やして、次にクオリティをあげて一人あたりの購買確率を増やさないとならないのではないか。
ぼくはそう思う。
そして、その購買確率というのはひとつの作品の完成度を下地にしているというより、場全体の平均に由来するのではないだろうか。
あくまで仮説の段階だが、ひとつの示唆になるだろう。
次の記事ではこのことを下地にして
【電子書籍が売れないのは、コンテンツが統一されてないせいだ】
【絶版マンガ図書館をブックウォーカーに統一するべき唯一の理由】
という話をしていきたい。
※1 ここでホントは、雑誌ごとの漫画の売上ランキングとか見たかったのですが見当たらなかったので言及できなかった。つまり、漫画がジャンプから発表されるのと別の雑誌で発表されたときに平均的な作品の売上の違いを見たかった(例えば各25作品連載があったとして、13番目の作品の売上の差を見たかった)。ぼく個人の感覚としては、ジャンプのような大きな雑誌で発表されたほうが、平均的な購買部数は大きいのではないかという思いはある。ただ、実際には調べないとわかりませんので想像で言及してます。売上を自分で調べて表にすればいいというツッコミはあるのだけど、時間なくてやれませんでした^^;
すみません。もし調べて「お前は間違ってる!」というなら、謝るしかないっす。教えて下さい。
※2 ホントは各雑誌の真ん中の売り上げの作品を比べるのがいいのですが
※3 ただ、ランキング上位にくるのは転生ものなどの「お約束」を下地にした作品が多い。今回のテーマからズレるからお話しないが、このお約束がジャンプメソッド的になろう作品をまとめ上げているので、売れやすいというのはあるとおもう。場の統一性というのを頭の片隅において見て下さい。
※4 一億アクセスとか聞いたことあるが、覚えてないので曖昧に書かせてもらいました。とりあえず、一位の無職転生だけで、一日十万アクセス(更新してないときで)ということは記録にある。ちなみに日間百位の竜姫は一日一万前後らしい。…って、平兵士の丘さんかよ…(苦笑
適当に12/17の百位選んだら…偶然ってこわい
※5 ジャンプの発行部数が二百万にたいして、なろうは一日云千万。単純に比較はできないだろうが、場としてみると単純に十倍は余裕で超える。一位の無職が一日十万アクセス(更新なし)と考えると、十倍の差というのは遠くもないとは思う。
※6 なろうでクオリティを問うことがナンセンスではある。今回は売上という観点からみたらクオリティが大切という話をしてる。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
はじめてコメントさせてもらいます。
売上効率はジャンプの方が高いとする理由が作品のクオリティの差にあるとの意見には私も同感です。
ジャンプは才能のある漫画家が競い合い、早ければ数ヵ月で追い出される過酷な場所ですから、そこで生き延びている作品の質は必然的に高まり、読者がお金を払ってまで買いたいと思える水準に達しやすい。
この少数精鋭のジャンプの売上効率に勝つには小説家になろうの上位二十位までの書籍化作品のみを持ち出し売上効率を競わないと多分勝負にならないと思います。
それ以下の書籍化作品は全作品合わせるとアクセス数的にはかなり稼いでいますが、ジャンプで言えば面白かろうと打ち切られる立ち位置なので、それらの微妙な人気の作品を含めて売上効率を計算すると、どうしてもジャンプよりは低めに出ると思われます。
それと一つ気になったのですが「無職転生」のアクセス数が十万程度と書かれていましたが、この数値はアクセスされた回数であってアクセスした人数では無いので、ジャンプの読者数と比較する数値としては不適切だと思います。
単なるアクセス数は例えるなら何度雑誌を開いたのかを表すものなので。読者数に近いのはユニークアクセス数ですが、こちらは「無職転生」ですと多い時で約五万になります。更新されていない時では一万強ですね。
そんな「無職転生」の単行本の売上は発売から一週間で一万何千部は売れているそうです。更新直後等のアクセス数が増える時でも一日に五万人にしか読まれない作品が、これだけの売上を出している事は売上効率としては充分高いと個人的には思います。以上長文失礼しました。
投稿: taida | 2015年6月20日 (土) 22時30分