2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
フォト

ウェブページ

無料ブログはココログ

« 『小説家になろう』で読んでいる物リスト | トップページ | 速報:『きっと、うまくいく』発売決定。これは買ってもいいよ »

2013年9月11日 (水)

映画『キャプテンハーロック』見てきました~福井晴敏と生きることの肯定~

人間は変わらない。世界が変わることもない。
そういう世界でひとはどうあるべきなのか。

この映画は松本零士の『キャプテンハーロック』の魂を受け継ぎ、福井晴敏なりに再構成されたいわゆる『キャプテンハーロック・ビギニング(ライジズ)』である。

宇宙海賊キャプテンハーロック DVD-BOX (42話, 840分) [DVD] [Import]

新品価格
¥4,860から
(2013/9/11 00:45時点)

最初にネタバレをしておくと、『キャプテンハーロック』の主人公ヤムはハーロックに敵する地球連邦政府のスパイである。ヤムはかつて犯した過ちを償うためにアルカディア号に乗り込む。そこから物語がはじまる。
映画『キャプテンハーロック』の登場人物は皆なにかしらの後悔をかかえていきている。後悔を抱えているのは主人公ヤムだけではない。物語のキーパーソンたるハーロックもそうであり、ヤムの兄にして地球連邦政府の要人であるイソラもそうである。
このせかいでいきるものは全員なにかしらの後悔を抱えて生きている。

ぼくが最初にこの映画を見ていたときは、松本零士の『キャプテンハーロック』を想像していた。熱をもち義に厚い自由の使者たる英雄キャプテンハーロックが活躍する物語を想像していた。しかしその期待は裏切られる。この映画に登場するのは英雄キャプテンハーロックではない。かつて人類最大の過ちを起こた大罪人にして未だに支えきれないほど巨大な後悔を抱える人間キャプテンハーロックである。
松本零士版ハーロックを想像していたものはこの違いに驚くだろう。
この映画にでてくるのはひたすらまえを向いていきている人間たちである。洒脱なユーモアもなければ、友情になみだする姿もない。かつての後悔に涙して失敗をなかったことにしたがるありふれた人間のすがたである。
松本版と異なるハーロックであるが、唯一共通するものがある。
それが、生きることにたいするスタンスである。

生きることが一瞬のきらめきであるのならば、きらめきの交錯はひとつの奇跡である。一瞬のきらめきの連続で生が成り立っている。
これを松本零士風にいうならば「受け継がれた魂の中でひとは永遠に生き続ける」のである。そのことを異なるアプローチで描いたのが本作である。
本作のテーマを一言であらわすならば「生の肯定」である。
ひとの為す選択のひとつひとつは生の証となる。そして選択には結果がつきまとう。それが連続して人類という種の生がつくりあげられていく。
その意味でこの映画の主人公がヤムであることは納得できる。
物語の主人公が作品のテーマをあらわす存在であるならば、物語中で都合3回裏切る「スパイ」の青年はもっとも多くの後悔を抱えた(=選択の結果を手に入れた)ものであると見ることができる。
作品中でハーロックが世界最大の後悔を抱えていることが明かされる。
だからこそ『ハーロック』はヤムに継承される。
ラストでハーロックがヤムを『ハーロック』の継承者に任命するのは、この物語中でもっとも『生きた(=選択の結果を受けた)』のがヤムだからである。

ダークマターエンジンの停止とともに消滅するミーメは、作品中で自身が語る通り「ハーロックと共にあるもの」である。その「ハーロックとともにある」彼女(とトリ)が、作品のラストでヤムと並び立つのは、ヤムがハーロックの名を継いだ証である。
そうしてハーロックの魂は受け継がれ、ハーロックの生は続いていく。
松本零士風にいうならば「魂が受け継がれて永遠に生きる」ことである。
うろ覚えなのだが、物語の冒頭とラストで次のような問いかけがなされている
「人間はかわらない。せかいはかわらない。なにも変化せず膿み希望も何もみることができない。それでもなぜやつ(=ハーロック)は前に進むのか」
その答えは、「それが生きるということだから」なのだろう。
全体的に粗い部分も在ってひとには薦めづらいが、ぼくとしては楽しい作品だった。
いいものをみた。

宇宙海賊キャプテンハーロック 映画化記念クリアファイルBOOK (宝島社ステーショナリーシリーズ)

新品価格
¥990から
(2013/9/11 00:46時点)

« 『小説家になろう』で読んでいる物リスト | トップページ | 速報:『きっと、うまくいく』発売決定。これは買ってもいいよ »

映画」カテゴリの記事

物語解釈」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1226196/53217094

この記事へのトラックバック一覧です: 映画『キャプテンハーロック』見てきました~福井晴敏と生きることの肯定~:

« 『小説家になろう』で読んでいる物リスト | トップページ | 速報:『きっと、うまくいく』発売決定。これは買ってもいいよ »

カウンター

カテゴリー

楽天アニメ

楽天コミック

ブログパーツ

  • いいねボタン