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2012年7月20日 (金)

銀の匙4巻と選択肢のおはなし

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評価 5.0

個人的評価 5.0

銀の匙の4巻を読み終えました。

いやー、素晴らしかった。

この胸の内をうまく表現する術がないのが口惜しいですね。

今回は八軒くんの「豚肉」問題の解決編。それとエゾノー祭の準備の物語ですね。

4巻はいろいろなところが素晴らしかったのですが、その中でも目を引くのは校長先生が八軒くんに語る「逃げる」についてのはなしです。

八軒勇吾はエゾノーに「逃げて」きた少年です。

だから彼が「逃げる」ことに対して否定的なのはわからないでもありません。「逃げなかった」未来を「選べなかった」ということは、かれの未練です。

いまがどれほど良かったとしても、ありえたかもしれない未来に対する未練を断ち切るのは難しいことではありません。

そういう彼に対して校長先生は「逃げるのはアリです。アリアリです」と言い放つ。

生きている以上逃げることの何処が悪いというのか。身を脅かす危険に対して立ち向かうことだけが正しいことではありません。

ぼくはこの話を雑誌で読んでいるときに、そのすばらしさに暫く棒立ちになっていました。

このシーンの素晴らしさは、語られることの持つ重みとそれを感じさせない気負いのないセリフとキャラの在り方にあるのだと思います。

校長先生はそのセリフを「あたりまえ」に語れている。

剣道の達人が自然体であることの美しさのような何かを感じた気がします。

校長先生の言う「逃げる」ことへのスタンスはぼくとしてはとても納得のできるものです。それはこのブログの何処かで書いたはなしでもあるでしょう。

こういう「逃げる」というはなしを書いていると二つの名作を思い出します。

一つが「3月のライオン」

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「でもききたかったんです 桐山さんはプロになってから一年遅れでまた学校に行かれてますよね

あの… それはどうしてですか?」

「…えーと 僕は本当に将棋にしか特化してないんです 人付き合いも苦手だし

勉強は好きだけど 学校にはなじめませんでした

人生を早く決めたことは後悔していません…

でも 多分 「逃げなかった」って記憶が欲しかったんだと 思います」

これは3月のライオンのワンシーンです。ポンコツ山田.COMさんがセリフを文章化して下さってたので使わせていただきました。

ぼくは、これはこれで一つの正解であると持っています。僕にも「逃げなかった記憶」というのは、覚えのある部分があります。ある意味とても重要な感覚であります。

で、こういう「逃げない]ことを主眼にした際に問われるのは「逃げないほうがいいのか?」ということ。

正直こういう二者択一の問というのは単純にすぎるだろうと思います。3月のライオンの作者である羽海野チカさんも、そういうことを説いたわけではないでしょう。

ここに道があるとします。青い道と赤い道です。

あなただったらどちらを選びますか?

これはいま適当に作った問ですが、こういう問答を書いていると「ひぐらしのなく頃に」を思い出します。

やったことがあるでしょうか。

物語中の選択肢に「赤い箱」と「青い箱」を選ぶシーンがあります。

どちらを選んでも結末は変わりません。

まぁ、要するにそういうことなんじゃないかなと思うんですよ。

ぼくが3月のライオンと銀の匙を両方見たほうがいいだろうと思うのは、両者の選んだ道が一見逆なのに同軸上にあると思うからです。

八軒は「逃げる」道を選び、零くんは「逃げなかった」道を選びました。

それで彼らは何を手に入れていくのか。

友人を手に入れたり、愛する人、家族、栄誉、さまざまなものを手に入れて同時に失っているでしょうね。

いろいろ細かい所に違いはあるけれど、彼らが最終的に見出すのは大きく括って「自分」なのだと考えています。

自分の本性と向きあって、再構築、再発見する物語と読むことができます。

別にどちらを選んだっていいんだと思うんですよね。

それと、もう一つ思い起こされるのが『CARNIVAL』です。

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おそらく『SWAN SONG』もここで語れる内容なのでしょうが、、、ぼくはまだやっていません(汗)

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『CARNIVAL』は、いうなれば「逃げ過ぎなかった」物語です。

あらゆる困難を身の内に内包し、許容した果ての物語です。

自らの罪と向き合い、他者の罪を見つめ続ける。常人ならば目をそらしてしまうことを見つめ続けてしまった少年の物語です。

もう少し鈍感であったならば気づかなくて住んだでしょうね。もう少し弱くあったら壊れることができたでしょうに。もう少し愚かならば失敗できただろうに。もう少し、泣くことができたら助けを求めることもできたのかもしれない。

ぼくは以前の記事で「こんなに強くなくてもいい」とあげた記憶があります。

『CARNIVAL』という物語はとても美しい物語なのです。

おそらく瀬戸口さんの作品の人間はとても高潔で、ある種の人間の理想のひとつなのだと思います。

しかし、そこにはさまざまな困難や障害があって僕なんかからみるとそれは「しあわせ」には見えない。(ある意味幸せなのかもしれないのですが)

ただ、この道を選ぶのも勿論「あり」なんです。

ただ、決断の先にどういう物語が転がっているのだろうか。それをこれらから知ってほしい気もします(全員に当てはまる物語ではないでしょうが、参考くらいにはなるんじゃないかな)

まぁ、そんな小難しい、どうでもいい話は抜きにしても物語として「おもしろい」のでこれらは見て欲しいですね。

傑作ですよ

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