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2012年7月18日 (水)

ANGEL VOICE読み返したけれど、おもしろいなぁ

ANGEL VOICE 27 (少年チャンピオン・コミックス)

新品価格
¥440から
(2012/7/18 00:07時点)

ANGEL VOICEってマンガ知っていますか?

現在チャンピオンで連載されているマンガです。

不良たちがサッカーチームを組んで強くなっていくというROOKIESのサッカー版みたいなマンガなのですがこれが面白いです。

技術がどうこうとかはわからないのですが、物語の進行が実にリアルで読んでて感動します。ぼくの好きなシーンは二つあって、ひとつは21巻くらいで主人公たち市立蘭山(らんざん)にサッカーを教えている爺さんの表情。

物語の主要人物のひとりが重度の脳腫瘍だと知った爺さんが大学の仕事を辞めてその子のそばに行く事を決めるシーンですね。

千葉に引越したことをサッカーのメンバーに伝えたとき

「いい物件を見つけたんじゃ。千葉ランドマークタワー(だったかな?)まで45分じゃぞ」「遠いじゃねぇか!」

というやりとりがある。で、去っていく爺さんはメンバーに背を向けながら嬉しそうな顔で

(マイの病院までは歩いて5分なんじゃ)

って独白するんですね。

この時の爺さんの表情がホントに嬉しそうで見ていていいんですよねぇ

そしてもう一つが

「俺たちにできるのはせいぜい船学や八津野に勝つことくらいだ」

ってシーンです。

これはサッカー部が「チームの目標」を話し合う時のシーンです。

サッカー部のマネージャー高畑マイが脳腫瘍であることを知ったメンバーは自分たちが病気になにも出来ないことを知った後、俺たちが勝つことを少しでも喜んでくれかもしれないなら勝利を目指す意義はある、と破竹の快進撃を繰り返します。

しかしある大会の準決勝でマイの緊急手術の話を聞いたメンバーは動揺して勝てる試合を落としてしまいます。

この話の面白いところは「一度決まった話」を再度繰り返しているところですね。

彼らはいったん、勝つことがあの子の笑顔に繋がるから、と勝利を目指します。しかしそれもその子が緊急手術になったことで動揺して揺らいでしまう。

これは強くなる動機の目標を外においたことから起こった出来事です。

そこで彼らはもう一度話し合います「なんで勝利を求めるのか」を。

この話し合いは結局「あの子のため」という結末に終わります。

しかし前回の話し合いと違うのは、マンガのセリフにもあるのですが

「無力だな。俺たちは。」

「俺たちができるのはせいぜい船学と八津野に勝つことくらいだ」

という現状認識。圧倒的な現実に対する自分たちの無力感です

この物語はこういうシーンがちょこちょこ出てきます。

どんなに頑張っても勝てないものは勝てない。足りないものがあれば負けてしまう。サッカーはサッカーであり、現実は現実である。

このシーンは「サッカー」と「ヒロインの病気(=現実)」を再度切り離し、その上で「勝利への目標」を設定し直すシーンといえます。

こうすることで彼らの目的は「マイを喜ばすこと」という外的動機でありながら、自分の内側から沸き上がってきた動機という再契約の構図になる。

まぁ、あえていえばそんな意味のあるだろうシーンなのですが、ボク個人としては物語中のラスボスと隠しボスくらいの実力がある2校を相手に「せいぜい」と言ってしまう諦念?、悟りの感情がとても好きです。これ、ほんとに好き。よくわからないけれど、すんごい好きなんですよね。

自分たちができることに限りがあり、そのなかでなし得る最高のパフォーマンスを見せたところで真の望みを叶えることは出来ないかもしれない。

それでも尚自分たちの為せることを為そうという精神状態への到達が、なんていうか言い表せない感動を生みます。

こういう現実を知った上でせいぜい自分たちのできる最高の何かを為すという話がとても好きなんですね。

物語上では20巻以上掛けて「最強」であり続ける存在をそれ以上の高みから見ることによって、真の目標に対して格下と位置づけてしまうその構図のひねり方というかが、すっごく言い表し辛い「面白さ」があります。

この中には「サッカー」を軸にした物語と、サッカーとは別の物語が在るんですね。

それは20巻以上掛けて紡がれてきた日常や絆であり。それが人一人がいなくなることによって失われてしまうかもしれないという崩壊の物語です。

物語の主人公たちが真に守りたいのは日常であるのだけれど、彼らはそれを守るに足るスキルがないので「せいぜい」サッカーの物語を完結させてあげる事しか出来ない。

これはタッチで言う「タッちゃん南を甲子園に連れてって」という話と全く同じ事です。

あれは約束を果たす=絆の物語と野球の物語がイコールで結ばれていたわけですが、これはそれぞれがイコールで結ばれているわけではない。

主人公たちが叶えてあげられるのはヒロインとの絆=勝利、である一方真実に手に入れたいものはヒロインの命である。

これは一種の志向と才能のズレにも通じるものがあるのかもしれない。

とにかくぼくはこういう「ズレ」にたいしてとても感動し、興味深く思うんですよねぇ。

読んだことがないなら読んでみるのをおすすめします。

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