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2012年3月20日 (火)

生きることの醜さを美しく描いた良作ー放課後保健室ー

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放課後保健室

評価 4(4.5)

個人的評価 4(4.8)

ずーーっと、気になっていたのだけれど読んでいなかったので読了。

これは久しぶりにいい作品でしたね。

水城せとなという作家さんをぼくは『恋愛ショコラティエ』から読み始めたのですが、これが驚くほどに趣味の合わない作家さんです。

だからというわけでもないのですが、この作品でも共感とかセンスオブワンダーとかはほとんど感じなかった。

だからといって出来が悪いかというと、そういうことでもなく、このレベルで作り上げられたらブラーヴァという他ないレベルの出来でしたね。

学校に現れる謎の教室。秘密の授業。夢の中でじぶんの真実と向き合いながら「卒業」を目指して殺し合い進んでいく。夢と現実という両界の狭間で「うえは男したは女」という主人公は夢幻の境界を歩いていく。

こんな残酷で美しい物語は久しぶりだった。このブログで紹介したか覚えてないのですが、「この自由な世界で」という傑作を見たときくらいには素晴らしいと思いましたね(あの作品も夢がなくてまったく趣味じゃないんですが、完成度がめっちゃ高いんですよ)

この物語はすべての話を通して読むことではじめて正当な評価を下せる作品だと思います。「ひとは生きているだけであらゆるものを踏みつぶしているんだ」という、当たり前のものが当たり前に描いてあるのが良かった。

水城せとなさんはそういう世界観を徹底的に描かれる方なので、ほんとにぼくの趣味とは合わない!

でもここまで徹底されると褒めるしかない。

これは久しぶりの良作でした。

放課後護憲室ーストーリーラインー

ある日、一条真白は保険医に呼び出され地下の保健室に導かれる。そこでは学校を卒業するための「放課後の授業」が行われていた。

毎週木曜日におこなわれる謎の授業。

夢の中で互いが互いを殺しあう凄惨な授業はいったい何のために行われているのか。卒業のために鍵を求めるものたち。夢の中では各個人の「真実」が具現化する。

かれらはなぜそんな姿なのか。どんな過去があったのか。

上半身がおとこで、下半身がじょせいの真白は、唯一「ありのまま」の姿で授業を受けることになる。

人間とはいかに醜いものなのか。真にうつくしいものとはあるのだろうか。

「卒業」のイニシエーションの残酷さにそれは現れているのかもしれない。

追記

タイプとしては「ぼくらの」と対比させてみることができると思う。テーマは被ります。

あと、「ネギま」の超の世界にも通じる。あっちが超マクロから攻めているのに対して、こっちは超ミクロから攻めている。この対比は「ぼくらの」とも同じですね。

追記2

あとこういう世界観が好きな人は、ゲームで言うなら『シンフォニック=レイン』がお勧め。半日ちょいかければ終わるので、一度はやるといいよ。

アニメでいうなら『少女革命ウテナ』とおなじ系列です。あの雰囲気が好きな人は、この漫画を読んでみるといいです。

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