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2012年2月10日 (金)

『ネコあね。』の語り尽くせない魅力。4巻の内容がやっぱり素晴らしすぎてもう!―プラネテスとネコあね。を並べて(好きなこと)語ってみた―

『ネコあね。』4巻読了しました。

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評価 3(3.0)

個人的評価 5

これは素晴らしかった!

ただこれって、ぼくの個人的感覚に依る所が多いので説明が難しいんですよね。だから個人的評価との差が大きいのはそういう部分に依ります。いまから少しでもその『素晴らしさ』について話せたらいいなと思います。ゆるりとお聞き下さい。

まずこの話がどういうものかというと「ある日我家の猫が人間になって『わたしがおねえちゃんだよー!』って言って来ました」って、話なんですよね。ある種のボーイミーツガールものとして読んでいる人が多いんじゃないかな。以前このブログでも「ネコあね。」がすっげー好み!って話はしたんですが、うん、やっぱり好物です。

この話でぼくの好物ポイントってのはいくつか在る(はず)なんですが、一番わかり易いのは4巻のオビについているセリフ

「ネコ」が「姉」になりました。

私はお姉ちゃんだからちょっとくらい大変でも仕方無いのです!!

って部分です。

この「喜び」の描写が好きなんですよね。「喜び」ってどういうことか?

それはこの漫画のあるエピソードを見るとわかります。ここでは次のような会話が行われます

「・・・杏子さんは怖くなかったんですか?・・・急に猫から人間になった時ー・・・」

「色んなものが―今まで見てた世界が・・・変わってしまうこと・・・」

この問いに対して猫から人間になった杏子は答えます。

「全然?」

「だって銀ちゃんのお姉ちゃんになれたことの方が・・・ずっと嬉しかったもの!!

うん。この感情が好みなんですよ。

もちろんこれだけではないのだけれど、これが好みのひとつであることは変わりません。

これがどう素晴らしいのか?

それはこれがひとつの「選択」だってことなんです。つまり選んだからその道を突き進む

意地とかそういうものではありません。

「選択」し「歩めること」それそのものが「喜び」

という話なんですよ。

うん、これだけでは分からないかもしれないからべつの話をしてみましょう。

これの類型としては『プラネテス』という作品があります。とはいえこんな(一見)理想的なお伽話に出てくるようなまっさらな感情ではなくて、もっとドロドロした「意地」の塊のような感情ですが・・・

多くの人がリアリティがあると感じるのはおそらくこちらですね。

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藤田貴美さんの『EXIT』とかでもそうですが「ホントは好きだからやっていたはずなのに・・・だけどその「すきなこと」がおれたちを追い詰めに来るんだ」という感情について書いてあります

ちょっと長いですが引用してみましょう

プラネテスでは次のようなセリフを主人公ハチマキが語ります。次のセリフは自らの内面、心のひとつがじぶんに語りかけるシーンです。

「なぜ助けを求めない?人間は孤独に弱い生き物なんだぞ」「ホラ あいつ タナベなんてどうだ?奴の口ぐせの「愛」とやらを具体的に実践してもらうといい」

「かたくなになるなよ 皆やっていることじゃないか 苦しみは分かちあうもんだ たとえお前の喜びが他人と分かちあえない性質のものであってもな」

「ただ一言「愛してる」と言えばいいそれで契約は成立だ その言葉が嘘でも甘えでも彼女はお前を受け入れるだろう そういう女だ」

それにたいしてハチマキが返すセリフがコレです

「はっ はははははっ 何言ってんだかコイツは

まったくカンケーねェじゃんタナベなんか」

「全部おれのもんだ 孤独も 苦痛も 不安も 後悔も もったいなくてタナベなんかにやれるかってんだよ」

いやぁ、何度読みなおしても素晴らしいシーンですね。

『ネコあね。』の感情が「正」とするならこれは「負」の方向の感情です。どちらがいいとか悪いとかではなくて、「そういう感情は現実に在るのだ」ということは意識してもいいことでしょう。

そういう意味ではぼくはこの話『ネコあね。』を「物語」として好きではないのかもしれませんね。この物語のなかで主人公銀之助くんは母親を失ったつらい過去と姉を失うかもしれない先の見えない不安を抱えながらこうつぶやきます(一部大幅改造意味は変わらないはず)

「平穏だった時間・・・それはいつだって唐突に破られることをおれは嫌という程知っていた」

「悲しい出来事は いつだって 唐突に起こるのだ」

「だけど・・・」

「だけどそれだけじゃないことも知っている」

嬉しい出来事だってこの世界には確かに存在するのだ

「ある朝起きたら―猫が姉に変わってたみたいに・・・」「俺を想って奇跡を起こした姉のように・・・」

これは次のようにして締めくくられます

「俺にも奇跡は起こせるだろうか?」

素晴らしいよねッ!!いやっ、ぼくは素晴らしいと思いますよ。

この一連のプロセスがもう素晴らしいんですよ!

この物語には悲しいことも辛いことも「在る」んですよ。

確実に在る。

でも、その現実を知った上で「でも現実には絶望以外も起こりえるんだ」という点を描き、折れてしまいそうな自らのこころを立て直す銀之助くんがマジ格好良い!

この話アニメで見たいですっ!!(言うだけならタダ)

これがぼくのみている『ネコあね。』の一部です。

・・・とまあまだまだ語れることはあるはずですが、今回はとっちらかる前にここでお開きとしましょう。書きたいことを全部書くと寝る時間がわからなくなってしまいますし。

最後にもう一言

『ネコあね。』はすっごく好きな作品ですね!

追記

書き忘れた内容のひとつに「孤独の対峙」というはなしや、「タナベとバサラが似た地平の存在で、それが故にかれらは『孤独』」なんだ」という話があります。

どっか書いておかないと(つーか書いても)忘れる気がするので書きました。どこかでこの話を書けたらいいなぁと思います(忘れる自信 大)

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