隠れた謎と隠されたなぞ。ミルキィホームズを読み説いてみる ミルキィホームズ第4話感想「バリツの秘密」
今回の記事は読み切るのに9分49秒程度かかります。動画も見ると12分少々になります
さて、今回は2部構成で行こうかと思います。
1部は「4話ひでぇww」って感想主体の内容。そして2部はそうではなくて、もうちょい真面目(?)な話。「いや、もうひどいとか何とかどうでもいいよ」という方は1部は読み飛ばしてもらってもかまいません。ホントにただただ4話の素晴らしさひどさを語ろうかという内容です。
さて、それでは1部を始めましょうか
<1部 ホームズの4話はどこまで挑戦的なんだ(笑)>
ってか、ヒドイよね4話ww
いやぁ、素晴らしいなぁと感動してしまった。これはオマージュとかそういうレベルではないよ、むしろ挑戦だよ!
まさか縄を喰うほどとはwwこいつらの順応性の高さは半端ねぇなぁ。一応「エリート」設定のはずなんだが
まさかのトトロ→レミングの集団自殺という異端の流れ。いい画像がなかったから入れなかったけど、「勢いよく飛びこんだらそこは滝だった。ヤバい死ぬ!!→トイズ復活」という流れは良かった。トイズが重視されてねぇなぁ(笑)「毎週誰かのトイズがちょっと復活するのかなぁ」という予想がまだ外れていないのはうれしかった(まさかこんな発現をするとは予想もしてなかったけど)
そのもの蒼き衣をまといて金色の野に降り立ち・・・
って、おおぅい!!もうどこからどう突っ込んだらいいんだよ!!しかも自分で歌うのかっ
ちなみにその頃の上空。きっと「姫様が姫様が・・・」とか言っている人たちがいるんじゃないかと
シャーロック「縛られたときの縄は喰ったよ」
ココロ・アイリーン「…(信頼したほほえみ)」
抱き合い、全員で唱える「バリツバルス!!」
アウトォォォォォォ!!!!!
いいの!?ねぇ、ホントにいいの!?一連の流れが分からないよ!!実は正しい突っ込みを入れたのがクマだけってどういう事なの!!!
まさにまさに。
アイリーンちゃんは大切なものを奪っていきました。それはわたしたちのココロ………
ちゃんです。
……こいつら、どこまで魅せてくれるんだ!?
ちなみにその後の気になるワンシーン
ねぇ、誘拐!?誘拐を見逃した上に意味深な微笑みで去らないで!!
……とまぁ、これだけで満足しちゃった(笑)
なんか少しはひどさの欠片でも伝わったんじゃないだろうかww
見てない人は見た方がいいと思うよ。2話とか3話、あるいは4話からでもいい。このひどさは初対面の人とでも語り合えるネタに慣れるレベル
……さて、まぁ2部に行きましょうか。ちょいまともな内容を語れるようにします。
<2部 過去と未来の物語 物語の果てに手に入れたもの>
まぁ、基本骨子は以前書いた記事があります。この内容に絡んで話そうかと思います。
無数の可能性を秘めた物語と「約束された結末」 -探偵オペラ ミルキィホームズ―
さて、前回の話においてミルキィホームズのアニメは「ゲーム(過去)で乗り越えた物語の果てにある物語を描いている」のではないかという趣旨の発言をしました。
これがどういう意図を持っているのかもう一度説明してみましょう。
その前に物語について簡単に話してみましょう。
ここでも言っている内容なんですが、極論すると物語というのは「変化」を描いているものです。
つまりA→Bという変化の過程が小説の1巻であり、シリーズ一つであるのです。
そうですね。昔恩師にこう言われたことがあります「小説で2人の人間が出てきたらそれは仲良くなるか別れるかのどちらかだよ!」と
これは勿論極論です。この例外に属する小説なんていくらでもあります。
でも、基本はまぁそうかなと思うんですよね。
弱虫の主人公が格闘技を習って強くなったり、振られたことを糧にして理想の相手を見つけるとか。物語の基本は「壁を乗り越える」ことです。
ジャンプは「友情・努力・勝利」を基本理念としてこの壁を乗り越えていきます。少女マンガだと「恋」でしょうか
その意味で物語の主人公が「トラウマ」を持っていることが多いのはよくわかるでしょう。「トラウマ」というのは超えなければならない壁です。あるいは「最強の敵」がいることを考えてもいい。そいつを倒すことによって主人公は可視化された「壁」を倒せる。
ドラゴンクエストの魔王なんてのはその典型で、「魔物に満ちた暗黒の世界→いない平和な世の中」を目指す主人公は「魔王という壁」を倒すことでその変化を達成する。この時魔王は分かりやすい意味で「世界の敵」となっています。
![]() |
新品価格 |

さて。その上で先ほどの話に戻ると「物語を終える」というのは「変化を遂げる」といってもいい。
つまりミルキィホームズのアニメ版とは「壁を乗り越えた後の『リニューアルシャーロック』たちの物語」という事なんです。
ここで4話を見てみよう
シャ-ロック「大丈夫!!明日はぜったい私が連れて帰ってあげるからね!!!」
ココロ「どっからその自信が出てくるのよっ」
シャーロック「だってあたし探偵だもん!!(えっへん)」
これは一見根拠のない自信を持っているシャーロックのお馬鹿シーンである。(まぁ、シャーロックがお馬鹿であることは否定しないが)
しかしこれに次の情報が加わると少し意味合いが変化してくるように思う
「シャーロック・シュリンフォード15歳です」
「助けてもらわなかったらわたし大怪我してたかも」
「あたしには……確かにトイズがあります……。けど……これだけ。念じただけで物を動かせる。といってもちょっとでも重いものは全然無理。……役立たずの、トイズなんです。でも、こんなあたしでも探偵になりたいっ。困っている人を助けたい!」
(以下略)
ここ(たぶん過去)におけるシャーロックはアニメ板と全く違う語勢を背負った少女である。
わたしはここに両者の「物語の差」を感じる。
「探偵になりたい」と願いながらもなれない少女。「だって探偵だもん」と言い切り無根拠な自信をもつ少女。
トイズを持ちながらも影を背負う少女。トイズを持たずに太陽を背負う少女。
シャーロックの物語はゲーム(過去)で一度決着が付いたのだろうと思う。
その結果彼女は「探偵になり」「太陽を背負う」
これは、さっきの4話のつづきである。
(だってあたし探偵だもん)
ココロ「トイズもないくせに(けっ)」
シャーロック「トイズがなくったってみんながいるんだよ。コーデリアさんもネロもエリィさんも!(みんながバックに)きっと私を見つけてくれる」
シャーロック「ミルキィホームズを甘く見ないでください!」
じつはわたしは、ここはこのアニメでとても重要な(もしくは重要だった)シーンなのではないかと思う
それは先ほどの動画の関連とを比べてもらうとわかると思う。
彼女は「トイズがなくったって」といったのである。そして代わりに「仲間がいるから大丈夫」と言い放っている。
個人的には、これがゲームで彼女が得たものであるのではないかと思う。彼女にとって探偵とは「人を救うもの」で「仲間がいる者」であり、「トイズのあるもの」ではないことが示されるワンシーンだと思う。
ゲームの「トイズがあるといっても、こんなのしかない(≒から探偵になれない)」と言っていた彼女との違いを見てもらいたい。
まぁ、このシーンの次にこんなシーンが出てしまうから空気が変わってしまうのだがw
ちなみに4話で時折現れる「真面目なシャーロック」とはゲーム(過去)の延長にあるからではないかと思う。これは「アイリーンとココロを撫でて安心させようとした」シャーロックのことを言っている。アイリーンには手を払いのけられ、ココロには噛まれることでギャグへと一転してしまったシーンであるが、実はシャーロックの本質を表す重要なシーンであると感じている。
このようにして「ミルキィホームズ」とは「物語が終結した先」を目指そうとしているのだろうと感じている(具体的には生徒会長との関係とか、これは前の記事に書いておいたから今回は省略)
最後にいずみのさんと昨日ツイッターで話した時に語られた一言がとても適切だったので紹介してみよう
すなわちミルキィホームズとは「『白黒つけなきゃいけない物語』で白黒つけてから、『白黒つけなくてもいい物語』に踏み込んだ物語」である
これはネギまでも似ているのかもしれない(参照 補足 アリエッティはなぜすばらしいのか?5 )
個人的に注目度の高いアニメです(1部、2部どちらの意味的にも)
![]() |
新品価格 |

新品価格
¥4,164から
(2010/10/30 01:52時点)

« 歴史の分岐地点とは記憶の分岐地点であるという事 | トップページ | 記事の紹介 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント