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2010年9月15日 (水)

エゴイストって、好き。

ふむ。思いついたので、更新です。最近ちゃんと更新している自分、ちょっとエライ。

さて、まずは下の動画を見てください。

個人的には、このCMは好きになれません。もちろんブラックジョークとしてのおもしろさ、現代社会を皮肉った捉え方という点に着目していけば楽しめることはわかります。ただ、生理的な嫌悪。つまり、この登場人物たちの行動を「美しくない」ととらえている自分がいるんですね。(まぁ、その辺を楽しむ人もいるんだけど、このあたりはわたしの行動理念と反しているって言えるでしょう)

でも待ってください。少し考えてみましょう。

なんでわたしはこの「エゴイスティック」な行動に嫌悪を覚えるんでしょうか。

だって、タイトルには「エゴイストって、好き」って書いてあるじゃないですか。矛盾してしまいますよね。

さて、ここで別の作品を例に取って見てみましょう。

以前このブログでも話題にしたことがある「はらったまきよったま」(通称はらきよ)という作品です。

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みんな、読もうよ!(1) ―はらったま きよったま―

この作品は、霊能力者の小学生男女が繰り広げるコメディ(後半はちょっとシリアス)(※1)なんですが、主人公麦子の相手役の神楽坂輝は自他ともに認めるエゴイストです。

近寄ってくるものは骨までしゃぶる。一般人に霊が見えないからこそ、それが大したことでなかろうと法外な値段ですら請求する。金のある者の前では善良を装い金をむしり取り、金のないものの前では邪悪。金さえ積まれれば友人ですら呪い、死さえも厭わない。

主人公麦子が真に善良であればあるほど邪悪さを増していく「超エゴイスト」です。(※2)

で、わたしは彼が大好きなんですね。はじめてみた時から「かっけぇ」となっているわけです。

すると当然の疑問として「なんで違うのか」というのが出てきます。


結論から行くと、彼には「美学」が感じられるんです。べつに「悪の美学」とか、そういうネタ的な意味ではないんです。たぶんかれは必要があれば、這って相手の靴にキスだろうがなんだろうがするでしょうし(※3)、(小学生のくせに)身を売って(=女性をベッドでたらしこんで)仕事だって取ってきます(※4)

違うのは「態度」なんですね。相手にこびるとか、そういうのではない「態度」。

このあたりの話は最近のアリエッティ記事とも絡みます。

「小さな、だけど大きな奇跡の物語」―借り暮らしのアリエッティをみて―

補足 アリエッティはなぜすばらしいのか?4

補足 アリエッティはなぜすばらしいのか?5

ようは、「おれはエゴイストなんだ」という自覚の下で行動しているんです。

はらきよのある巻でかれはこういう風に言います(記憶で書いているから完全ではない。意味としてはあっている)

エゴイストの何がわるい!?人間はみんなエゴイストや。鉄道も物流も、何もかもが人間のエゴから出来ているんやで!

臭いものは嗅ぎたくない。醜いものは見たくない。

そうやって進歩していくんや。真のエゴイストは地球を救うで

かれは自分のエゴに肯定的で、自覚的です。「おまえのためだ」と言っても、それは嘯きであり、だましなんです。かれの中に「相手のためなどという想い」は(ほとんど)なく。

結果感謝されれば「謝礼は現金で返してや」となる。

考えてみれば、かれも「悪」に自覚的な人間です。エヴァンジェリンと同じタイプの「ボス」なんですよ。(かれもまたネギと同じ10歳程度であることは非常に楽しい偶然で、その「年齢と自覚のちぐはぐさ」の産む面白さはエヴァやネギに感じる面白さにつながっていると思う)

また、ちょっと別の例を出してみましょう。

大須賀めぐみさんの「魔王」という作品(原作伊坂幸太郎さん)です。

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これの9巻でもう一人の主人公安藤潤也は岩西と言うチンピラに尋ねる。

「岩西さん。お金は、力ですか?」

「お金があれば、世界は変えられますか?」

それにたいして岩西は問掛ける

「金がすべてじゃない。金で買えないものもある。そう、思うか?」

と。潤也はそれに答える「うん。いくらお金を積んでも帰ってこないものもある」と。その答えに岩西はさらに云う。「そんなもんは一握りだ」

「人間、本当に大事なもんなんてそうたくさんありゃしねえんだよ。たいがいのもんは金で動くし、金で買える」

「金と意思、それさえあれば国だって動かせる」

金は、力だ

潤也はその言葉に納得します。

ここで彼らもまた輝と同じ「エゴイスト」です。かれらは嘯く「世界は金と意思で変えられる」と。

無自覚な善人より自覚的な悪の方がわたしは好きです。(じぶんにヒドイことする人には近寄りたくもないですけどね(笑))

「あなたのためだから」と自分のエゴを押し付けていることに気付かない(※5)。これはアリエッティでも描かれています。

だから敢えて言いましょう。

「わたしはエゴイストって、すきだよ」と。

※1 霊が見えるちょっと貧乏でたくましい女の子麦子と同じく霊が見えるお金持ち(自分で霊能力団体「新輝会」を立ち上げ、ぼろもうけしている)の男の子神楽坂輝の繰り広げるドタバタコメディ。ちなみに、彼らの霊力は世界でもトップクラスと思えるため通常をこえる無茶な出来事もコメディ要素として扱われかねない。

※2 とはいえ、麦子は「聖人君子」であるわけではない。ある意味彼女もエゴイストであるのだが、「偽善者」とののしられるようなエゴイストであり、輝の方は純粋に「悪」のタイプのエゴイストなんです。この作品を異なるタイプのエゴイスト達の物語として眺めていくと、なかなか楽しく読めていく。普通に読んでも大好きなんですけどね。

※3 そして、「こんなんで金になるんやったら安いもんや。元手タダやで、タダ」とか素で言うだろう。

※4 事実、かれの数年後を描いた「魔界紳士録」という作品では……

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※5 このCMの製作者の伝えたいこともそれなんでしょう、このCMを嫌うのはある意味正しいのではないかと思いますよ。「こんな風にならないようにしよう」と見て思えれば相手の狙いどおりなのではないか。嫌なのは、これをぎゃはぎゃは見て笑いながら「おなじことをする」人。善意の押し売りってやつですね。

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