補足 アリエッティはなぜすばらしいのか?1
アリエッティはすばらしい。わたしは前回の記事でそのことを説明した。
「小さな、だけど大きな奇跡の物語」―借り暮らしのアリエッティをみて―
しかし、とても残念だ。わたしは気付いてしまった。「あの内容ではまだ不十分だ!」とw
だから、今回は補足をしよう。めちゃくちゃ長い補足となる。サンデル教授から始まり、ネギま、SWN SONGを通りすぎ、そしてアリエッティへと連なる、とても、とても長い補足だ。
しかも驚くことに、それは・・・いや、いい。すべては書き終えてから分かることだ。まだまだ先は長い。まずはサンデル教授の特別講義のはなしからはじめようか。
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去る8月27日、ハーバード大学教授にして「これからの正義の話をしよう」の著者であるマイケル・サンデル教授の特別講義が行われた。この内容はニコニコ生放送で放映され、じつに多くの人間が見た。かくいうわたしもその一人だ。残念なことに後半一時間だけ、という制限がついての視聴であったが・・・
そこでサンデル教授は聴衆に問いかけていた「出生前の子どもの性別を決定することに賛成すべきか否か」と。
聴衆は二分した。反対派は云う「それはおそろしい考えだ。男児だけ産む。女児だけ産むなどという事をしては社会のバランスが崩れてしまう。もしかしたらば、軍事国家を作り上げてしまうかもしれない。売春婦として子どもを売る親もいるかもしれない」あるいは別のものは云う「それはおそろしいことです。子どもは自分の性別を選べません。しかし、親は選ぶことができるのです。なんという不平等でしょう。子どもの権利は一体どうなるのです」と。それにたいしてサンデル教授は語り掛ける「親が子どもを売春婦として売る。そのような親はおそらくいないでしょう。しかし、ふむ。それをビジネスとしてしまうものはいると思います。ではそれを禁じてしまう法律を作ればいいのでしょうか」またはこう返す「あなたは親が一方的に子どもの性別を決定してしまうからよくないという。子どもが選べないからいけないのだ。そのように言うのですね。では、逆に問いかけましょう。自然分娩で子どもは自分の性を決定できるとでもいうのですか」と。
読者の皆さんは一体どう思うだろうか。では賛成すればいいか、とそう思うだろうか。あるいは、いやそれでも許されるべきではない、と考えるだろうか。講演はそこからもつづいていった。じつに興味深い、考えることの多い講演であった。まだニコニコのタイムラインで見れるだろうから、見れるならばみておいた方がいい。ただ、わたしのサンデル教授の話はここでいったんの幕を引こう。
ここで最初考えたのは「つまりは自己決定の問題なのではないか」ということだ。つまり、どのような形であっても「子どもは選択できない」ことに変わりはない。そして、どちらの選択肢を選んだところで子どもは不満をつける可能性がある。ちょっと別のサンプルをあげてみよう。サンデル教授の問いにはこういう問いもあった「記憶力がよいように子どもを変えてしまってもいいのかどうか」このとき「変えた方がいい」と思うものは確かにいる。でも一方で「変えない方がいい」と思うものもいるにちがいない。理由は何でもいい。親には親の事情がある。ただ、もしそうした場合こどもは次のように思うだろう。「なんでパパとママは僕の頭を良くしてくれなかったの」と。今の世にも同じようなことは起こりえる「生まれてくる親や環境は選べない」などはまさにそういう問題だ。だからこそ「自分で自分を肯定してあげるしかないのではないか」そう思った。
しかし、そのロジックは別の、恐ろしい可能性を提示しうる。
(つづく)
え~と、予想通り終わらない(ってか本論にすら入ってない・・・)。んで、今回もその次もツッコミどころもあるんじゃないかとは思うんですよね。正直言って。でもせっかくなんでという事で載せます。そしてつづきます(汗)すみません
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