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2010年2月24日 (水)

PSYRENの構造がおもしろい。

PSYREN?サイレン? (1)
410円

 今日の夜のラジオのためにマンガ喫茶でPSYREN(週刊少年ジャンプ連載中 現在9巻まででている)を読んできた。面白いのだが、これが週刊連載(特にジャンプ)向けかと言うと、正直う~んと唸るような内容である。個人的には雑誌連載より単行本でまとめて読んだ方が面白いのではないかと感じた。それはこの作品がそれなりにややこしい構造を内包しているからだ。これを分解していくとおおまかに2つの要素に分けられる。(じっさいには不可分なまでに結び付いているので明確に2つとはいえないのだが……)
 一つは異世界設定である。類型としては『マブラブ・オルタ』*1や『時空のクロスロード』*2を思い起こしてもらえればよい(じつはてれびんはマブラブをやったことはないのだが)。突然異世界(荒廃した世界)に飛ばされてしまった主人公たちがの物語だ。
 もう一つがタイムワープ。主人公たちの行っていた荒廃した世界がじつは未来だったことがのちに明かされる。それをどうにかできたら主人公たちの物語は完結する。未来の危機を救う物語(予知された絶望の回避)としては、CLAMPの『聖伝』や『カードキャプタ―さくら』『X』*3が思い起こされる。(じつはもうひとつ思い当たるものはあるのだが、タイトルと内容を微妙に思い起こせないため書けなかった)
 物語の序盤(1巻から2巻)主人公たちはわけのわからない怪物の跋扈する世界に飛ばされる。どのような世界かもほとんど分からない中で、手探りで進んでいく物語は『漂流教室』や『コープスパーティ』*4を思わせる。容赦なく人が死んでいく中で主人公たちは元の世界に戻るために全力を尽くす。
 その内容がシフトするのは、その世界がじつは未来の日本であることが明かされてからである。未来の日本が荒廃することを知った主人公たちは、物語の目的が徐々にシフトしていく。つまり元々の目的「わけのわからない世界に飛ばされるゲームをクリアする」から「未来の荒廃を食い止める」に変化する。そうすることで物語の舞台が『異世界』から『現代』と『未来(異世界)』へと変化する*5。個人的にはこのシフト(正確には、10週打ち切りを免れられたから、当初予定の物語に戻したのではないかと予測している)がじつに興味深かった。
 わたしはこの世界がじつにゲーム的(とくにPCのノベルゲーム的)であると感じた。その一因の一つにこの『現代』と『未来』の相互干渉という要素がある。これがどういう事かと言うと、この世界はらせん構造を備えているということだ。このような要素は扱いが難しいのでマンガよりゲームなどで見受けられる(あくまで印象だが)。
 最初現代にいた少年は『未来A』へと飛ばされる。そこで得た情報をもとに『現代を改変』、同時に彼らは『未来B』へと行くこととなる。この構図が螺旋的に連なりあって『荒廃した未来』を『危機が訪れなかった未来』へとたどり着くように作られている。(このような相互干渉の要素もゲーム的な要素であることを思わせる)
 しょうじき、このような作品がジャンプで連載しているとは思わなかった。
 自分としてはもうそろそろ物語後半に差し掛かってきたような気もする。とにかく、きっちり物語を構成していることにひどく好感を持てる作品だった。

  *1マブラブ・オルタ=アダルトゲームメーカーageのアドベンチャーゲーム『マブラブオルタネイティブ』のこと。並列世界をタイムループしていく構造。http://ja.wikipedia.org/wiki/マブラヴ_オルタネイティヴ
*2時空のクロスロード=自称雑家の鷹見一幸のデビュー作。現代に生きる少年たちが並行世界の未来に飛ばされ、将来起こることが予測される世界崩壊の危機を救う物語。http://ja.wikipedia.org/wiki/時空のクロス・ロード
*3『カードキャプタ―さくら』では、クロウリード。『聖伝』『X』では夢見と呼ばれる夢を通して未来視する者たちが描かれる。『X』が完結していないから確定的なことは言えないが、これらの作品では『運命は変えられない』『いや変えられる』というテーマが物語の両方の手綱を握っている。ちなみに『さくら』と『聖伝』では『未来は変えられる』という結論に至っている。(『さくら』ではギミックとして用いられているだけなので、このテーマを背負っているのはむしろ『聖伝』や『X』ではないかと思われる。『X』では『未来は決まっている』というセリフが出ているが、現在連載が中止になっているので保留せざる負えない)
*4『コープスパーティ』=夜の学校に忍び込んだ少年少女たちが魑魅魍魎が跋扈する荒廃した学校に巻き込まれてしまうPC用のホラーRPG。現在リメイクされている。
*5このようなシフト変化が行われるため、雑誌には向かない題材なのではないかと思ったというのもある。シフト変化についていけない読者(シフト変化に気付かないため「急に面白くなくなった」と感じるものが出るなど)や、後から入ってくるのがつらい読者がいるのではないかと感じたため。

放送URL:http://std1.ladio.net:8010/mangaRadio.m3u

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