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2009年12月 1日 (火)

『覇者の三剣(5)』 読了

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はい。ということで『覇者の三剣(5)』を読み終わりました。これで完結です。

感想としては面白かった。しかし、正直この作品は特別奇抜だとか、見るべきところがあるとかいう作品ではないんですよね。だから「どこがおもしろかった」ということはあまりできない。

単純に言えば『物語のテンプレート』にうまく乗った作品なんだと思います。もちろん『テンプレート』に乗るだけの質や魅力がそろったキャラクターがいてのことなんだけど。

今振り返ってみると、この物語は2通りの楽しみ方ができる作品でした。

1つは「まとまりのある物語」としての楽しみ方。これは物語が当然帰結すべき部分に到着することを楽しむ類のものです。いわば「予定調和」が故の楽しみ方。

世界に魔物が現れました。そこに一人の勇者が現れました。彼はいくつかの(内面的・外面的)苦難を乗り越えて、魔王を倒しました。そして世界は平和になりました。メデタシメデタシ。

ということを楽しむ形のものです。

そういう視座で見るとこの作品は起承転結がきちんとしていて非常にきれいな作品です。敢えて言うならば「安心して見れる」というのが一つの魅力でしょうか。

もう1つは「キャラクター物語」としての楽しみ方。ただし、この「キャラクター」は「テンプレート的なキャラクター」です。

いわばこれも「安心して見れるキャラクターの物語」と言えるでしょう。

過去に傷のある、脆さと強靭さを兼ね備えた主人公。主人公以外に何も頓着しない鬼畜な相棒。まじめで堅物な先輩(まじめさのせいで一度道を踏み外しかける)。軽薄なふりをして本気を出さない「大人」な先輩。同級生の優しい女の子。年上で生真面目な義理(?)の姉(主人公と共通の過去を持つ)。

キャラクターだけ見てもラノベやマンガ、ゲームでよく見るタイプと言えるでしょう。

この「物語の構成」と「キャラクター」が兼ね合って「安心して楽しめる小説」が出来上がります。だからこの「どこかで見たことがあるような」物語とキャラクターはその内側を突き詰められることはありません。「母殺し」に苦しんでも、そこをさらに掘り下げることはありません(だから最後の救いの場面が典型的な「許し」の形であるともいえる)。また「敵」の内面が深く掘り下げられることもまたあり得ないのです(故に敵は「侵略者」という形式を崩すことはない)。

ただ、それでもこの作品が面白みを保っているのは、面白い作品に「掘り下げ」は必要ないからです(※1)。適度に流れの筋があり、適度に魅力的でわかりやすいキャラクターがいれば「物語」は完成するのです。

あと重要なのはその掘り下げの比率です。読み手が違和感を無視できるレベルまでキャラクターを作り上げ、物語に深みを持たせればいい。

今回の場合は物語の深みが比較的浅い代わりに、キャラクターの骨子がしっかりしていました(これは過去が作り上げてあるという意味ではなく、ある事象に対してキャラクターが「現在」どのように行動するかを作者がしっかり理解して書いていたということ(※2))。

これらがかみ合ってバランスのとれた作品になったことを総称して「テンプレートに乗った」と表現し、結構わたしはこの作品を楽しめました。

※1 物語が面白くなるためには掘り下げは必要ないが、「最高に面白くなる」ためや「傑作」になるためには必要であると私は考えています。(ex.『ネギま!』『十二国記』)

※2 あとがきの一文を見ると作者が重視したのは「現在」>「過去」>「未来」であるであろうことが推察されます。それだけ「現在」のキャラクターには力を入れたが、代わりに「過去」や「未来」は「現在」ほど力を入れていないだろうと思われる。

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