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2009年9月 3日 (木)

『デウス・レプリカ』 感想

51npabbsv5l__sl500_aa240_ 面白いんだけど、第3回ノベルジャパン大賞という選考作品の受賞作品として考えると微妙かな~。

登場しているキャラクターは魅力的だと思うし、明るくて見ていて気持ちがいい。特に主要キャラの神村悠、柊美鈴、太刀鞍零のキャラ立ちは見事だと思う。正確には神村悠自体はキャラ立ちが素晴らしいというより物語の潤滑油としていい。柊美鈴、太刀鞍零、母親との絡みが彼がいるだけで実にスムーズである。

ただ、物語の構成に対する文句も結構ある。たとえば物語の伏線をいろいろ配置したはいいが、物語中でほとんど回収されていない。作者があとがきで「次があれば…」とか言っているけど、明らかに次の巻の準備してますよねぇ!と言いたい。実際パッと一読しただけでも、

  1. 姉の失踪理由・目的
  2. 美鈴の記憶に関する問題
  3. 零の背景

とかがある。物語をこの1巻で完結させようとするには明らかに余分なファクターが多すぎる。もしこの1冊での完成度を問うなら零・姉の存在はほとんどいらないと思う。まず姉が失踪したことと今回の事件自体はそこまで直接の関連が強いものではないし、事件が解決しても姉の一件にほとんど進展はない。それは零にも言えることで、主人公の持っている力の特殊性を示す以外にほとんど物語上の役割を果たしていない。零と悠の契約は今回の物語においてほぼ事件の進展・解決には役に立っていない。

また坂崎の「不死性」についても突然登場しすぎていたように感じた。彼女が黒幕だったってのはまぁいいんだけど、その彼女が実は「不死者症候群」だったということに対する伏線は物語中に(おそらく)示されてはいないと思うし、突然彼女の不死に対する苦痛が示されても一読者として共感するのは難しいんじゃないかと思う。

美鈴も「なぜ」過去が希薄であるのかが示されていないので、現在の行動の動機が希薄。なんか「過去」に何かがあったのだろうという予測は立つのだが、それがこの物語の核には全く関わってこない。これは零にも言えることで、彼女の『終わらせる』という特性および背景は事件解決に役立つことがない。

全何巻とかの予定を立てて書くような小説ではこういう書き方もありじゃないかと思うけど、新人作家がデビュー作でやることじゃないと思う。それでもキャラ立ちが異常なまでに出来ていれば別(クビキリサイクル、デルフィニア戦記も似たような指摘は可能なのだが、登場キャラの個性が強すぎて(私は)全くと言ってそのような点は気にならなかった)なのだが、そこまでの強烈な個性が登場人物にあるとは思えない。このようにいろいろ回収できてない伏線を散りばめてしまったせいか、デビュー作によくある「熱さ」「情熱」「迫力」が欠けてしまっている気がする。「この1作にかける!」ってところが少ない気がする(←偏見あり)。もう少しこの1冊の密度を高めても良かったんじゃないかという意見が私の意見。

それでも出てくるキャラは面白いし、日常の会話は自然で好きですよ。後は長く続いて徐々に物語が盛り上がるようにしてほしい(今回のラストは今までのような理由もあって最後のカタルシスが感じられなかった)。

次も出たら買ってみますよ。ただ、あんまりに面白くなかったら続きは買わないかもしれない。

追記1 不安なのはこの1冊しか出なかったらどうするんだろう?ということ

追記2 所長は「機械仕掛けの神」のように物語を無理矢理にでも終わらせる役割にしたのかな?

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