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2009年9月10日 (木)

『サマーウォーズ』 レビュー

<おしらせ>おおかみこどものあめとゆきの感想を書きました。自分の主観的興味と客観的評価が乖離しているのが、気になるお話でした。

200904000102 昨日やっと小説を読み終えました。これで、ひとまず映画・コミック・小説のバージョンを読み終えたことになります。まぁ、まだ角川つばさ文庫版は読んでないのですが、機会があったら読みたいと思います(岩井恭平バージョンと何か違うのだろうか?)

今回のレビューでは基本的に小説バージョンを中心に取り上げていこうかと思います。一応映画を見たときの感想は書きましたし、コミックはまだ終了していない。多少変更のある部分はありますが、基本的に小説と映画の流れは同じなのでそれほど感想にブレが出ないかな、とも思います。

今回はちょっと趣向を変えて、コラム毎の感想にしたいかと考えています。※ネタばれしますんで、映画をまだ見てない人はご注意ください。

物語中の子供たち、そして翔太にイラついた件について

これは映画版でも小説版でも変わらない一定の感想です。正直見ててかなりイラっときました。こいつらがいなけりゃ事件はスムーズに解決したことを考えるとなおさらです。

小説のキャラクター紹介欄を見ていくと、最初のラブマシーンとの対決を邪魔したのは慎吾(6歳)と祐平(7歳)だそうです。「まぁ、子どものすることだから…」って気持ちも確かにあるんですが、どうなんでしょう?だいたい子どもっていってもバカじゃありません。周囲の人間の状況を察することぐらいします。相手が何かに一生懸命なら、気を使いながら声をかけるぐらいのことを出来ます(全員が全員というわけではないが…)。あんな風に一生懸命キーボードをいじっている相手の邪魔をするんでしょうかね?私には弟がいないのでよくわからないんですが、ちょっとした疑問です。

とはいえ、アニメ中においてあのような無邪気(?)に物語の進行を妨げる子どもはたまに出てきます。確かにイラっとはするんですが、「子どもだから…」で流すことは出来ます。

問題は翔太の方です。彼は物語後半でラブマシーンを追い詰めるために用意したマシーンの冷却用の氷の大半を持って行ってしまいます。小説によると20本ほどあった中から17本くらい持って行ってしまったそうです。彼のこの行動の動機は「ばあちゃんの遺体が悪くならないため」です。この動機自体は全く問題がありません。ばあちゃん思いのイイ子のように思えます。でも時と状況というものがあります。彼は健二達がラブマシーンと決着をつけようということは知りません。だから彼の行動に問題はない?イヤイヤ、それはちょっと違うんじゃないかと思います。映画を見ると氷はすべてパソコンの傍に置いて密閉してあります。多少でも常識のある人間ならば「なんでこんなところに氷がいっぱいあるんだ?」くらいは考えます。理由は分からなくても、なんか意味があるのかもしれないかぐらいは考えます。そしてそれを準備した人たちを探して、氷を使っていいかぐらい尋ねますよ。見つけたから勝手に持っていくというのは彼の思慮が足りなすぎます。

しかもさらにイラっとくるのは彼の態度です。彼は欠片も反省しません。カズマに殴られれば健二に文句を言い、健二がOZのパスを解いたという話(映画・コミックでは最後の一字ミスということになっている)のときはブゥブゥ文句を言っているのに自分が勝手に氷を持って行った時は結局健二に文句を言う。そしてラブマシーンの脅威を知ったときは騒ぎまくるだけ。。

…使えねぇ…

なんか全てが解決した後はさっぱりした顔をしています。反省の色が見えません。

…こんな無責任な警官に取り調べとかされたくありません。

結局今回の事件解決の邪魔をしてきたのは基本身内。その尻拭いを周りが一生懸命やった形とも読める気がします(侘助の件も含めて)。一番の被害者は健二でしょうか。

ご愁傷様です。

カズマが女の子でなくてがっかりした件について

結構いろんな所で皆が言っているんですが、同感です。映画版ではじめて見た時は、物語の後半まで「いつ性別がわかるんだろう?」と淡い希望を抱いていました。で、この感じ何か覚えがあるんですよね。どこで感じたんでしょう?

…思い出しました。BLEACHです。ルキアです。

確かソウルソサイエティ編の中盤までルキアが男か女かわかりませんでした。基本立ち読みばかりだから見逃していただけかもしれませんが、あの時はそれを知りたいというのがブリーチを読む目的の一つにありました。

だいたい物語の重要人物が男か女かってのは重要ですよ。それが違うだけで全く違う物語になりかねません。ルキアが男だったら、一護は「友情に厚い男」です。しかしルキアが女であるから別の読み解きの可能性が生まれます(あえて詳しくは書きませんが…)。

サマーウォーズも同様です。もしカズマが女だったらと考えてください。(※以下長いです。妄想を思うがままに書いたらとんでもないことになりました。是非読みとばしてください。)彼女はボーイッシュな女の子です。昔いじめられていて、それに対抗するために武術を習い、男の子っぽくなりました。そんな彼女はOZのマーシャルアーツチャンピョンシップ(OMC)に出会う。そして若いながらも頂点に君臨する。いつの間にかそれでお金を稼げるほどになります。そんな彼女の周囲はリアルでもヴァーチャルでも男らしいやつらばかりです。彼女はそんな日常に慣れ親しんでいました。

そしてある日彼女は大おばあちゃんの90歳の誕生日のため親戚の集まりに参加しに行きます。親戚といっても昔からちょくちょく顔を合わせています。気兼ねなんか要りません。OMCの仕事が入っている彼女はほとんど親戚にあいさつも交わさず奥でパソコンとにらめっこです。夜になっても一生懸命働きます。そんな時です。後ろから気配がします。親戚はここには近づきません。母親に頼んで言い含めておいて貰ってあります。来るとしたら下のちびっこいやつらですが、やつらほど騒がしくありません。「誰?」疑問が浮かびます。そしてヘッドフォンを外し、後ろを見ると知らない男の子が立っています。間抜けそうな顔をしてぼーっとこちらを見ています。第一印象はあまり良くありません。彼女は自分が武術をやっているせいか、男を「強そうか弱そうか」で判断してしまいます。その点後ろの男の子は弱そうです。しかも意思も強くなさそうです。「…何か用?」何故ここにいるのか分からないので質問してみました。「えっと……道?廊下? に迷っちゃって」どもりながら男の子が答えます。見るからに優柔不断そうです。興味が失せました。「トイレなら、戻って右」そっけなく言い放ってもとの作業に戻ります。男の子は後ろで何か言いたそうにしていたけれどもしばらくすると立ち去ってしまいました。

その夜彼女は夢を見ます。昔の夢です。ちっちゃい、いじめられていたころの夢。今思えば始まりはたわいもないものでした。おもちゃの蛇を机の中に入れられる。変なあだ名をつけてからかわれる。どれもこれも自分が本気で「やめてよ!」といえば止まったであろうものでした。しかし自分は何も言わず、泣いてばかりです。誰かに相談しようにも決心がつきません。そして自分がウジウジとしている間にいじめはエスカレートしてしまいます。

…一人で泣いている自分。悩んでいる自分。…いつの間にかそれが昨日の少年に置き換わっています。

ハッと彼女は目をさまします。いやな夢です。全身が汗でいっぱいで気持ち悪いです。もう過ぎ去ってしまった過去です。なんであんな夢を見たのでしょう?…昨日の男の子が脳裏に浮かびます。昔の自分と同じような「弱い」男の子です。

彼女は気持ちを切り替えるために簡単にシャワーを浴びてくることにします。戻ってきたとき見れるようにパソコンのセットをしておきました。

シャワーを浴びて戻ってくると、なにか騒がしいです。居間の方で子どもが騒いでいます。いつものことなので気にせず、部屋に戻ります。朝ごはんまでもう少しなのでその手慰みにニュースでも見ることにします。そして知ります。昨日の「弱い」男の子が何をしたのかを。全世界で最高水準のセキュリティを誇るOZのプログラムを破ったことを。

…以下略

~妄想終了~

止めどころが全くないので無理矢理に切りました。以下、徐々に自分が今まで考えていた「強さ」とは違う強さ、ばあちゃん栄と同じような強さを見せる健二に興味を持ち惹かれていく…とかもやれるんですよね(展開そのままで)。

ほんと事前情報なしに映画を見に行ったので、カズマの性別に戸惑いました。「ヒロインは夏希だと思うけど…侘助とは4親等離れているから実は結婚OK?…ということは、夏希と侘助がくっついて、カズマと健二がくっつくって展開もありえるのか!?」とか思いながら見てました。

ちなみに小説版ではきちんと性別が書いてあるので、そういう妄想は生まれないでしょう。残念。

小説版のよかったところ

ほとんど展開もペースも同じなんですけど、映画版とは違うちょっとした部分が物語の理解をスムーズにしたよね、って話です。

まず夏希の背景が少し変わっていたところですかね。夏希が侘助に固執する理由と、健二に惹かれていく過程が組み込まれていたため、映画版で「なんでいきなり健二とくっつくのっ!?」っていう感想に応えていましたね。

次にラブマシーンの心情があったことでしょうか。栄ばあちゃんの凄さが際立ってて良かったわ。確かに物語中でばあちゃんはラブマシーンに負けてないからな~。

健二が活躍している―これって重要ですよ。映画版よりは主人公が活躍してますからね。心情が書き込まれているから栄ばあちゃんの影響がどのように出てたのか分かるし。最後の理一さんのスカウト話も展開上納得できたからね。

…でも基本的に内容が映画版のままだったのは残念(あの夏希と健二のラストはけっこう好き)。もっと「岩井恭平の『サマーウォーズ』」って感じにして、全面改定でも面白かった気がする。登場キャラといくつかの通過点(栄ばあちゃんの大号令とか)だけ決めて自由に書いてあるものを読みたかった気もする。

映画の良かったところ

侘助と栄ばあちゃんの手をつないで歩くところの見せ方とかは、小説では出せないよ。

小説・コミック・映画に共通する良かったところ

栄ばあちゃんの「あんたならできる!」ってところ(栄ばあちゃんの「大号令」←個人的通称)。どれで見てもグッとくる。

かなり書いた気がするからそろそろやめる。それにしてもサマーウォーズは面白かった。

書き忘れてたけど思い出したこと

小説版で、最後に何故夏希の衣装が変化したのか理由付けがしてあって納得。そうだよね。プログラムのクジラが、場の空気を読んで自分の意思で祝福を与えるとかないよね。常識的に考えて。

さりげなく理一さんかっこよくないですか?映画でも小説でも。

前書いた感想→ http://uzumoreta-nitijyou.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-5ee3.html

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