偽りのドラグーン 感想
設定は面白そう(というか私が好きそう)なんですが、内容はかなり微妙でした。何が原因かというとかなり複合的なんですが、まず一つの要因としては「おどろき」がないことが挙げられます。これがないため、物語を読んでいって得られるカタルシスが異常に少ない。以下に物語の概略を記述してみます。
設定で故国の復讐を誓う主人公は別にかまわないのですが、その後の展開が普通すぎます。孤児院スタート→ヒロインと出会う→学校に入学→成績最下位→努力→事件→1巻のボス(アダマン)と戦闘→主人公の隠された力が発動、勝利。
……え~と、RPGで言うなら本格的に冒険が開始する直前ってところでしょうか?ゲーム始めて30分目ぐらいではないかと思います。
かなり陳腐な展開が繰り広げられていました(特に隠された力の部分)。隠された力を出すにしてももう少し出し方ってものがあったんじゃあないでしょうか?あんな如何にも「いまから主人公がピンチに陥って突然すごい力出します」って書き方はやめてほしい(しかも出たのはただのバカでかいエネルギー弾。結構普通。)。でも、もしかするとこれから面白くなるかもしれないから判断は保留。一応、次も買います。
で、2点目を少し言及。復讐が薄っぺらい気がする。なんかもっと暗くてドロドロした中で、しかし絶望に陥らず前向きに復讐を成し遂げようとしてほしかった(前向きな復讐?)。復讐の名作「モンテクリスト伯」とかに比べるとちょっと……って感じです。せっかく復讐という題材があるのだから生かしてほしい。
追伸
- クリスが予想通り女性でうれしかった。陳腐なのは嫌だけど、こういう「おやくそく」は好き。
- 出てくるキャラが違和感なく「立って」いるのは安心。キャラクターは好きです。
参考
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