レンタルマギカ 滅びし竜と魔法使い 読了
修学旅行のさなか、協会に禁忌に指定されたいつき。かれを窮地から救い出した(攫いだした)のは、旧敵<螺旋なる蛇>だった。連れ去られたいつきの中に育まれていた『生命の実』とは何か。
角川スニーカー文庫の誇るレンタルマギカシリーズ第2部の最終巻です。
いや、面白かった。今作を読んでいて、やっと第一部から地道に進めてきた話が結実しようとしていることがわかってきた。実際今回の話の中で主人公いつきは遂に自分の立ち位置を積極的に定めたんじゃないかなと思った。もちろん彼は今までの闘いや問において、自分なりの答えを積極的に出そうとして、だいたい何らかの結果を示してきたんじゃないかと思う。
しかし、物語の最初の方から問われてきて、彼自身も悩み続けていた問題があった。それが『(基本的に魔法使いでもない)一般人の伊庭いつきは魔法社会とどのように付き合っていくのか(関係していけばいいのか)』といった問じゃないかと思う。(まぁ、この問いは別に他の形にも言いかえられると思うから、もっと別に適当な表し方があれば教えてほしい)。
もうちょっと説明を加えると、「魔法社会とは本来無関係」で「彼個人の対外的なメリットもほとんど見いだせない魔法世界」と彼の関係はどうあればよいのかという関係性に立脚した問題についてのこと。もちろん父親とかの動機は存在する。しかしそれは外部の要因であって、彼自身の動機とは直接に結びついていると言えるのかは怪しい。やはり一つの「世界」にどっぷり浸かる道を選ぶにはそれなりの理由が必要じゃないかと思う。
その点、今回いつきは一つの選択をした。それは1部から彼に問い続けられていた問題への答えであった。そうして、ある意味これで“本当のスタートライン”に立ったのではないかと思う。
そう考えると、ラストで彼があのような状態になったのはすごく感慨深い。もちろん知識や知り合い、覚悟の量などはまったく異なるんだけど、あの“新生アストラル”は1巻のやり直しのようにも捉えられる。”ほぼ最初の状態”で“過去のアストラル(いつきの事件含む)に直接関係ないメンバー”で始まる“新生アストラル”の物語。彼らがどのような経緯で過去(第2部までの問題も含む)の問題に挑んでいき、どういう未来を築いていこうとするのか。第3部がどのような展開になるのか楽しみです。
そうそう。↑のように考えると1部2部はいくつかの物語に捉えられるかもしれませんね。例えば、(あくまで思いつきですが)
①いつきの問いに関する物語
- 第1部―魔法社会との関係に対する問
- 第2部―それに対する答え
②アストラルを中心としての魔法世界住人といつき達の関係に関する物語(もしくは、いつき(非魔法社会の住人)と魔法世界の住人が仲良くなる(つながりを作る)物語)
- 第1部―いつきと魔法世界の住人の出会い・コンタクト
- 第2部―いつきと敵対する魔法社会の人間と彼に賛同する人間
↑ちょっと表現が上手くいかなかった。
③いつきが自分なりの力を手に入れていく(成長)物語
- 第1部―妖精の目(生命の実付)←借り物(魔法的な力)
- 第2部―今巻p292の力(言葉にすると歪みそうだから定義しない)←魔法以外の力
そうですね、③は今巻で結構如実に出たような気もします。正確に言うと②と③は連動していますね。1部で仲良くなった魔法使いが今巻でしたことを考えれば極端に的外れではないような気もします。もちろん、穂波やアディリシアの物語もあるはずですよ。
この辺を考慮していくと、第3部の展望が妄想できないかな~とか(ちょっと)考えます。
おっと、そろそろ遅いので終了します。ではおやすみなさい(もう0:54でした)
追伸 アディの選択は素直にすごいなと思った。でも確かに、ああいう選択をするからこそのキャラであり、最後の方の選択なんだろうな。これで“魔法”を捨てるという選択をできないところが嬉しくもあり、悲しくもある。(物語としては、すごく評価するし、嬉しい。でも感情移入する対象としてのキャラの在り方としては、あえてイバラの道を行くその姿が、ちょっと悲しい)
参考URL
- gurimoeの内輪ネタ日記(準備中) http://blog.goo.ne.jp/gurimoe/e/db7c017ed4dd731f6cff90546426852e
- 萌えレビュhttp://www.moe-review.com/?p=3383 ↑と同じ人が書いてる
- 藍麦のああなんだかなぁhttp://ai-mugi.blog.eonet.jp/aimugi/2009/07/post-e952.html
- ラノベ365日http://ranobe365.seesaa.net/article/122973495.html
- 徒然雑記http://blog.livedoor.jp/yamata14/archives/52281817.html
- 随想http://bibliomania.jp/mydear/diary/article.php?id=7316
- booklines.net http://www.booklines.net/archives/4044249229.php
- Poliのこべやhttp://laycoris.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-5928.html
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コメント
TBありがとうございました。
>これで“魔法”を捨てるという選択をできないところが嬉しくもあり、悲しくもある。
あぁ、上手い表現ですね。
アディ贔屓の自分は、自分の感情を上手く表現したくてできなかったのですが、この文章でストンと腑に落ちました。
なるほど~。
投稿: 藍麦 | 2009年7月 9日 (木) 23時14分
こちらこそコメントありがとうございます。
またそちらのサイトに立ち寄らせていただきますのでよろしくお願いします。
投稿: てれびん | 2009年7月10日 (金) 19時49分