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2009年6月16日 (火)

アクセル・ワールド2 紅の暴風姫 読み終わりました。

Img015 人間と電脳がより密接になった近未来。リアルとヴァーチャルの境が薄くなってしまった世界に生きる若者。彼らがに参加するゲームの≪加速世界.≫で唯一の飛行アビリティをもつ少年ハルユキの物語の2巻です。

今回はニコこと至高の七席の一つ赤の王が登場です(ついでに黄の王も)。

実際出てくるキャラクターの大半はどこかで見たことあるタイプのキャラで構成されているアクセル・ワールドシリーズですが、そこに違和感を感じさせないように物語に溶け込ませている作者の技量が見事な作品です。実際意識して読まないとキャラクターの記号的性質はあまり意識されることはありません。読んでいるときはそんなことに気付かず、読み終わったときに物語を頭の中で整理して初めて気付いた人もいるのではないかと思います(実際私はその口です)。

それにしても1巻の初めの時はハルユキのライトノベルの主人公らしからぬ姿(状態)に違和感を覚えたものですが、物語の概要が定まってみると「この物語の主人公はこれしかない!」という形に収まっています(主人公などを基点として物語を構成しているのだろうから当然っちゃ当然なんですけどね)。

では2巻のちゃんとした感想に入ることとします。

正直この巻を読んでいて登場人物のニコや黒雪姫をかわいそうに感じながら読んでいました。確かに彼らはブレインバースト世界における最上位の七人の中の一人で、ある意味この小説内では他者よりも優位にあるかもしれません。しかしだからこそ私は読んでいて彼らがかわいそうだと思ったのです。それは彼らが(状況的に見れば)孤独だからではありません。それはおそらく彼らがブレインバーストというゲームを誰よりもこなし、≪加速世界≫に誰よりも長くいるからです。

今回の物語の中で長時間加速世界の中にいることの危険性が訴えられています。それは、長時間中にいると現実世界では人間が変わってしまう(変わらざる終えない)ことです。

これをよんでやっと、なぜ黒雪姫やニコが実年齢よりも大人びて見えるように書かれているのかが多少わかった気がしました。ここで、「子どもなのに精神だけ大人のようになってしまってかわいそう」とはいいません。そうではなくて、私が彼らのかわいそうだと思った部分はその「アンバランスさ」です。補足を加えるのならば、肉体という「リアル」と意識という「リアルとヴァーチャルの両極にまたがるもの」が生み出す「ずれ」の存在にかわいそうだと思いました。人間の成長とは本来「意識」のみでするものでも「肉体」のみでするものでもありません。両者がそれぞれに作用しあって生じていくものです。その過程の中で経験等が積み重ねられていくのです。ちなみに片方だけに偏ってのみ成長をするにはそのものの中に独自の(私たちの言う)アイデンティティーが形成されなければならないはずでしす。しかし、私たちが読んでいる限りではハルユキ達のアイデンティティーは私達のものと違いはありません。それを考えた時、現実の状況を置いて一部の意識だけが「大人」になってしまった彼らは現実の肉体、「リアルな存在」とどのように折り合いをつけていかなければいけないのかを考えるとそれほど幸福なことのようには思えません。(ちなみに、ここで私が一部という言葉を使ったのは、仮想世界はあくまでゲームと呼んでよい制限の中に成立しているからである。仮想世界の中では食事もなければSEXもない、排泄もなければ(おそらく)睡眠も必要としない。この意味でひどくゲーム的と言えるのではないだろうか。あくまでこれは格闘ゲームのくくりをそれほど逸脱していない。私はこの小説を読んでいて、うえお久光のシフトを思い出した。シフトはこの小説とは異なり排泄以外は(確か)すべて可能だ。その点では対照的な作品に見える。しかし意識と肉体という観点から見れば、程度の差はあれ、同じ構造の物語と捉えられるのではないかと思う。)

そう考えるとハルユキが黒雪姫とニコの抱き合って眠る姿を何度も思い返す場面や最後の場面でクッキーを噛みしめて現実の味だと泣く場面はひどく象徴的な場面なのではないかという印象を抱く。

こんなことを本を読みながら思った。

ちなみに黒雪姫が過去の映像を見せられてから立ち直るまでの流れはご都合主義に過ぎるのではないだろうかと批判的意見を抱いたことを付記する。

いずれにせよ次巻が楽しみだ。

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